その2ー 事件、当事者、送達場所など
事件番号、事件名(事件の種類)
答弁書の一番上には、左寄せで、事件番号と事件名(事件の種類)を書きます。例えばこうです。
平成○○年(ワ)第○○○○号 損害賠償請求事件
「平成」から「号」までを事件番号といいます。事件番号と事件名の間に1文字分の空白を入れると見やすいです。
事件番号や事件名は、裁判所から訴状といっしょに届いた「(第1回)口頭弁論期日呼び出し状及び答弁書催告状」という書面に記載されているはずです。
当事者(原告・被告)の表示
事件番号と事件名の次の2行に、当事者、つまり原告と被告を、左寄せで、次のように2行で記載します。
原告 甲野太郎 被告 乙川次郎
会社が当事者の場合は、株式会社○○などと書けばよく、代表者誰それと続けて書く必要はありません。ただし、会社と代表者の両方が被告である場合は、次のように書きます。
被告 株式会社○○ 外1名
「外」は「ほか」と読みます。「他」と同じ意味です。この例に限らず、原告や被告が複数いる場合は、「外」を使い、実際に氏名(会社名)を記載するのは1名分だけにします。
当事者も、事件番号や事件名と同様、裁判所から訴状といっしょに送られてきた「口頭弁論期日呼び出し状及び答弁書催告状」に記載されているはずですので、そのまま書き写せば大丈夫です。
ここまでの記載、すなわち事件番号、事件名、当事者の表示は、答弁書だけでなく、証拠説明書や準備書面など他のあらゆる書面に、事件を特定するための情報として最初に書くことになります。約束ごとだと覚えておいてください。
タイトル
当事者の表示の後、行を変えて答弁書と書きますが、見栄えをよくするには、
答 弁 書
のように、文字間に2文字分ほどスペースを入れるとよいでしょう。
タイトルは普通行の中央に記載します(中央揃え)。
日付
タイトルの次の行に、右寄せで書きます。平成(元号)でも西暦でもかまいませんが、元号を書く人の方が多いです。
この日付けは、答弁書を裁判所に提出した日を書いておけばよいです。プリントアウト(手書きなら清書)した日でも構いません。
宛先
日付の次の行に、左寄せで、次のように裁判所の担当部を書きます。
東京地方裁判所 民事第○○部○○係 御中
担当部がどこかは、何度も登場している「口頭弁論期日呼び出し状及び答弁書催告状」に記載されています。この紙には裁判所の判子が押してあるはずですが、ここに、担当部及び担当の書記官が記載されているはずです。
この宛先は、必ず裁判所です。原告に送る場合も宛先は裁判所です。
これは答弁書に限らず準備書面や証拠説明書など裁判中に提出するあらゆる文書にいえることです。原告には裁判所に宛てた文書の写しを送ると考えてください。この写しを「副本(ふくほん)」といいます。
作成者
宛先の次の行に、右寄せで、答弁書の作成者を次のように記載します。
被告 乙川次郎
そして、氏名の横に印鑑を押します。認印で構いません。
会社の場合例えばこうです。
被告 株式会社○○○ 上記代表者代表取締役乙川次郎 代表者印
個人でも代表者印でも、裁判の間は同じ印鑑を使ってください。
被告の住所と送達場所
作成者の後に、右揃えで、郵便番号からアパートの部屋番号までを記載します。1行に収まらないときは郵便番号の後やアパート名の前などで改行してください。
住所の最後に続けて「(送達場所)」と記載します。
するとこのようになります。
〒○○○-○○○○ 東京都○○区○○町1-1-1 一刻館5号室(送達場所)
送達場所とは、この裁判に関して裁判所からあなたへ送られる郵便物の宛先です。住所以外の方が都合がよいときは、指定する必要があります。例えば勤務先を送達場所に指定する場合、住所、送達場所の記載は次のようになります。
〒○○○-○○○○
東京都○○区○○町1-1-1一刻館5号室
(送達場所)〒○○○-○○○○
東京都○○区○○町2-2-2
株式会社××商事○○課(勤務先)
上2行が住所部分、下3行が送達場所指定部分になります。
電話番号・FAX番号
住所・送達場所の次の行に、右寄せで、裁判所からあなたへの連絡方法として電話番号と、あればFAX番号を、次のように、記載します。
電 話 ○○-○○○○-○○○○
FAX △△-△△△△-△△△△
これで本文以外が完成しました。次のようになります。
平成○○年(ワ)第○○○○号 損害賠償請求事件
原告 甲野太郎
被告 乙川次郎
答 弁 書
平成○○年○○月○○日
東京地方裁判所 民事第○○部○○係 御中
被告 乙川次郎 印
〒○○○-○○○○ 東京都○○区○○町1-1-1
一刻館5号室(送達場所)
電 話 ○○-○○○○-○○○○
FAX △△-△△△△-△△△△